師走初めだった。友人に話を持ちかけて…冬の金沢行脚に。今回は週末を挟んだ変則的な日程。無理を聞いてくれた友人に感謝!
昼は、お決まりの近江町~片町をぶらついて、夜の香林坊で二人では初の居酒屋「五郎八」に。
予約のキャンセルが出て17時から入店。これ、ラッキーだったなぁ。普段はこの時間帯は満席。当日予約は、まず取れないから。
19:00からは毎度barタイム。居酒屋が2時間限定の場合が多いから。 居酒屋はしごってのもちょっとねぇ、だから酒肴を変えてる。
そして、毎度のブルーバーへ。
あれ?やってない。臨時休業?それにしては張り紙も無いし…何かの用事で今日は遅い開店なのか?
まぁ、後で再訪れてみるかと、つなぎに近くのbarを巡回。どこも満席でザワザワって感じだったのでスルー。
何となくの雰囲気で「倫敦屋酒場」に入店してみた。ブルーバーから近いって事もあるし。老舗Barだとか雑誌には載ってたから…。
通りからはビルに「Rondon’sber」って看板が。そして1Fに入口がある。(薄暗くてココが入店口なのか?だったけど。)ドアを開けると…。
奥の方から、
「ようこそ。どうぞー。」
と、マスターらしき声が聞こえた。そのまま進むとカウンター、横にテーブル席。雑誌で見たレイアウトだから、入り口は正解だった。
何だか隠れ家的でイイ感じ。こういうのがハマるなぁ~自分は。落ち着けそうだった。
店は低い天井で地下室的?何というか、禁酒時代の隠れ酒場みたいな造りにも感じた。
そんな時代をよく知らず、インスピレーションで語ってますが。(いい加減ですねぇ。)
内装は、オールドアメリカなスチールプレート看板が、天井にはめ込まれていた。このあたりもOld-barな歴史を感じた。
そして、すごい雰囲気あるダンディーなマスターが迎えてくれた。
「お好きなカウンターにどうぞ。これだと決めてからで結構ですから。呼んでください。」
とニッコリ。そして他のオーダーを準備している。
オーダーはじっくり思案してからでいいと言っているわけだけど、活字では雰囲気がうまく表現できない。心地いいんだよね、妙に。
マスターの雰囲気からは、慌てずカクテルタイプとベース酒を眺めて、最初の1杯を決めようかということに思えた。
「とりあえず〇〇を、なんてのは愚行だとも思えたんだ、自分には。
メニューを十分眺めてオーダー。出されたカクテルを嗜んでいると、軽快な口調でお店の創業時の話とか、金沢の今昔を語ってくれた。
おそらく、自分たちの言葉が地元じゃないからだ。こちらの郷里話を引き出してくれ、シャレを入れつつ親しみやすい雰囲気に。
表面的ではない、深い知識に話が続く。気になると現地に行っちゃうからとか。探求心からなんだと納得。
カウンター奥にエイジングされたウイスキー樽が目に入った、友人がマスターに尋ねると、これがマスターの売りだとか。
ここまで揃えているbarは、そうそう無いらしい。近くのウイスキーを飲んでいたお客さんがそう友人に話していた。
マスター曰く、(覚えている限りです。酔っぱらってからの記憶なので…)
ビン(ボトル)詰めのウイスキーは均一な味。今は鉄樽で作る酒、工業生産。良い質のものが誰でも等しく飲めるようになったのはいい。
だけど、酒は全て良い水が母体。水は空気の変わり姿。それに触れてこそ酒は熟成されて、その土地独特の味や風味が出る。
それが本当のテイスト。それを感じるのが一番。だから、その“風土”を吸収する木樽で買い付け、更にエイジングして原酒を提供している。
そして、味わう際にはゆっくりと口にする。サッと飲み干さず、1度口にしただけでチェンジしないこと。
2口目から味が変わる。その味を確かめて判断してほしい。本当に好きな味が分からずでは、とても勿体ないから。
深い…。興味が湧いてきたところに、
「良かったら、飲んでみてはどうです?」
とマスターの奥さん?(違ってたらゴメンナサイ)から提案。手が空いてカウンターに戻ってきたみたい。
友人も自分も、飲まない訳にはいかなくなっていた。“飲んでみたい”しかないよ。
自分は友人と違い詳しくない。どれが良いかよく分からないので、セレクトをお願いしたのです。
「LEDAIG」レダイグ
さて、このウイスキーの話は次回…。
初めて入って、こんな話が聞けるまでに。一気に距離が縮むマスターの懐…。時間も忘れて、結局滞在3時間。
そろそろお勘定。ダンディーマスターに感謝し、店を後にした。
老舗Bar、「倫敦屋酒場」
金沢の行きつけ酒場が、また一つ増えそう。
Barに行こう。どこにしよう?
オススメしますよ、ココ。
後で知った。日本屈指屈お指のBarで、幾多の著名人が通う洋酒Barなんだと。でも、それが前に出ないのは、きっとマスターだからかな?
マスターに頂いた単行本。著者、マスター。発行、北國新聞社。