滋賀県に出向くことに。ついでに琵琶湖にも立ち寄ろう。ブラックバスの駆除について聞いてみたい…。
ブラックバスと言えば…。
特定外来生物で、国が駆除を推進してる。在来種を捕食してしまい、日本在来魚類の絶滅が危惧されるという理由から。
雑食で魚食性があり繁殖能力も高いとあって、あっという間に国内の湖やダム湖に多く生息してしまった。そのほとんどは密放流と言われる。
バス釣りを楽しむ目的、観賞用が手に負えなくなったとかで、様々な場所に放流され在来種を駆逐してしまいそうになってる…。
琵琶湖では、漁業に影響が激しく捨て置けない問題として、漁協が県の支援のもと駆除活動を実践中だ。
水産関係のある方に聞いた話…。
「駆除行為は止められない。でも、駆除は命を奪うこと。奪った命は、捨てるとか肥料でしか使えてない。それは、漁を生業にする者の本意とは違う。」
琵琶湖と言えばビワマス
「ブラックバスは、スズキ科で淡泊な白身魚、琵琶湖漁師の中では、魚肉としての活用も試行している。」
参考:https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140930_37442.html
「そもそも食用で輸入の魚だ、当時は、在来種駆逐の想定も無かっただろう。その恐しさを目の当たりにして駆除へ向かった。だけど、食材の考えは“悪い”じゃない。」
捕獲個体は、実際に一部の料亭やレストランへ食材として提供されている。その一つが、琵琶湖博物館にあるレストラン「にほのうみ」。
ここに“バス天丼”がメニューにあると聞き、琵琶湖での所用の合間に食べてみようと向かってみた。(ここと滋賀県庁の食堂メニューしか無い…という噂)
博物館への入場は、QRコードで来館予約制。感染症予防対策でのこと。行動エリアも位置口でチェックが入る物々しさ。
食事だけと告げ、カウンターで身体状況等の記入とパスカードを掛けてレストランに入店。早速、バス天丼を注文した。
天ぷら衣の下に、あっさり淡泊な白身。くせが無く揚げ物には相性がいい感じ。フンワリ食感でカリッな衣との相性ピッタリ。
ブラックバスは臭みがあると聞いていたけれど、全く感じなかった。臭み消しにハーブを使ってるとのことだったけど…。
丼にはブラックバスが二切れ載っていたので、一つは衣を剥いで白身だけで食べてみた。臭みはまったく感じず。
淡泊なので、油を絡めるような調理方法は合っている。天ぷらやフライ、串ものはベストに思う。和洋に使える良い魚肉じゃないか…。
ブラックバスの天丼、いや、ブラックバスは普通に美味い魚だった。これは是非食べて確かめてほしい。
2,000円/㎏になるとか…約30㎝の魚体で3尾くらい?として、歩留まりは3枚おろしで30%くらいか?半身が6枚できる勘定。
2,000円/6枚=333円/枚として、丼ぶりに1枚使うとして…原材料費30%とすると、一杯1,110円以上の値付けになる。
って原価計算、だいたい合ってそうな…。公営っぽいんで、多少は低い設定のような気がした、1,120円ってバス天丼の値段。
外来魚で要駆除と法律に示された魚。他の魚を駆逐し頂点に立てる魚。共食いをしてでも生存を図る魚。レッテルは良くない。
そういった意味でも、このブラックバス天丼は食べてもらうことに意味がある。そして、それは美味しく、食材として十分使えると感じてもらえるはず、と。
多くの人がそう思えたら、駆除の先に違った視点が向けられて行ったらいいなと思うところがあった機会だった…。